真珠とサスティナビリティ 里海を活かすということ

Posted on by narita

先日は社員たちとミキモト真珠島へ。

私は何度目かの訪問ですがやっと社員を連れてこれました。
天気も良くとても清々しい気分でした。

写真これしかないですが、今回は「矢車」のビデオをしっかり見れたので趣旨としてはOK。
昭和初期(1937年)にパリの万国博覧会に出品されたこの可変式ジュエリーは帯留や指輪、ネックレス、ブローチなどに自在に組み立てることができるのです。

デザインは完璧にアール・デコなので当時を反映していますね。

こうして見るとパールとサファイアって格好いいんですね。
もっとカジュアルにムラのあるカイヤナイトとかと合わせてみたくなりました。

こうして色々と見ていると新しいデザインが湧いてきます。

矢車についてはもちろんミキモトのページが詳しいです。
↓↓↓↓

その後覚田真珠さんを見学させて頂きました。

こちらは初期の選別ですね。少し黄色いのは海中の有機物などの汚れで少しくすんでいるからです。

養殖から含めると何百もの工程を経てあこや真珠の珠が磨かれ揃えられ美しい光沢と共に人の身体を装うことになります。

これは真珠に穴を開けている所。
専用の機械を使って傷が少ないところをひとつひとつ選んで開けていきます。
ピアスやイヤリング用の方穴のものよりもネックレス用の物の方が品質の個体差が出ているので難しいようです。(ピアス、イヤリング用は裏側の一面のみにだけムラや小傷が許されるため)

もちろん素人目にはわからないレベルですが、こういう作業は日本人の性質に合うものなんでしょう。完璧に選り分けて完璧に仕上げていきます。

覚田社長曰く、

「里海において持続可能なモノづくりをしていく必要がある。」

里海とは「人手を加えることで生物 多様性と生産性が高くなった沿岸海域」という定義。

人の営みによって、河川や海などの環境が整備され、そこから得られる資源によって人間が豊かになり、その恵みをまた自然に返すという循環を考えているのです。(事実として人が手を加えることによって多様な生態系が回復した例もあるそうです。)

考えるに金を採るときもダイヤを採る時も宝石を掘るときも、環境に大なり小なり負荷がかかっています。
もしかしたら養殖真珠は一番環境負荷の少ない宝石なのかもしれないですね。

社長の信念に全員が気押されるような見学会。

また、真珠の新しい捉え方を感じられる日でした。

明治のベンチャー御木本幸吉の想いが詰まったミキモト真珠島は一般の方でも見られますのでオススメですよ。

ミキモト真珠島に行ったら裏にある御木本幸吉記念館を忘れずに訪ねてください。

私は幸吉の妻うめが真珠の養殖を果たす直前で亡くなってしまうところで毎回泣きそうになります。

明治の傑物 御木本幸吉の生涯に触れて見てはいかがでしょうか?

成田保之

愛知県出身 1975年生
ワーズアンドアーツ株式会社代表取締役
古いもの古くからあるものが好きなオールドタイマーですがいま起きている未来のことも知りたい。
ジュエリーのプロデュースと販売の人材育成に力を入れています。
好きなものはスパイスとジュエリー。

デザインディレクターを勤めるブランド Havitas jewelry
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