自分の仕事をどうやって選ぶべきなのか?

Posted on by narita

漫画家、柳沢みきお先生の「大市民」というシリーズがあります。

自分自身を投影した主人公「山形鐘一郎」の活躍するエッセイというか私小説というか。

僕はこれを20代の時に読んだのですが、その中にこんなくだりがありました。

「仕事を決める時に、何を基準に決めるか?」

好きな仕事をすればいいのか、稼げそうな仕事をすればいいのか?

主人公はこう言います。

例えば造船業は戦後花形の職業だった。いま造船業はどうか?全然ダメだ。(当時90年代始めです。)
好きな仕事をして、業界が悪くて仕事がきついのならがんばれるが、造船を好きでもないのにその仕事を選んで、時流によって給料が低い時は我慢ができるだろうか?だったら思い切って自分の好きな仕事をしてみたらいいだろう。

大市民を読んだ20代半ばの当時の僕は、自分が何者か分からない、でも何かしたいっていうジレンマの中にいましたのでこの問いが心に響きました。

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出典:教養としての中学・高校受験社会

ちょっとこのグラフを見てみてください。昭和50年からのものですが日本の得意分野「造船」です。
浮き沈みがわかります。
造船業は、戦後、輸出産業としてとても重要で、特に昭和30年代以後その輸出実績は毎年三億ドル(約一千億円)にも達したと言われています。実際  作者の柳沢先生は1948年生まれ。このグラフの昭和50年には27歳ですが。当時の若者は造船って憧れたでしょうね。
グラフの中頃を見ればわかる通り、先生の若い頃はそれはそれは盛んだった造船業は平成元年当時には苦境に立たされていたと思われます。

日本の造船業が復活に向けて動き始めた。1月末、国内造船大手の今治造船が16年ぶりに超大型ドックの新設を発表。さらに1月の船舶受注量で日本が韓国と中国を抜き1位に返り咲いた。(2015.2.26)

出典:産経ニュース
「造船大国・日本」復活恐れる韓国 台湾から世界最大級コンテナ船受注に焦燥「韓国造船業の牙城崩れる」

アベノミクスで浮かび上がる造船業。
今年は円高がかなり進んだのでどうかわからないですが、業界的には良くなっているようですね。

こうして30年という年月を経ると、浮き沈みはありますよね。

もちろん単純な製造業はコモディティ化することによって、その価値を失っていきますからなんでも思うようにはいかないと思いますけど、希望を持ってやる。いいと思うことをやる。っていうのはいつも忘れずにいたいですね。

僕は思い悩んだあげく起業をしたわけですが個人的には自分の興味のあることや信じたことをやっておいて良かったなと思っています。

というわけで僕が言いたいのは

どっちか迷ったら自分の意欲が湧く楽しいと思う方を選んだ方がいい。

楽をしたいとか単純に儲かりそうとかで選ぶと状況が悪くなった時に我慢できないです。

楽しいと思って決めた方向なら状況が悪くなっても、キツくても我慢して継続できます。

当たり前のことなんですがそういうことです。

「大市民」読み直してみようかな。

ではまた。

 

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