山口小夜子展に行けなかったことを後悔したこと
Posted on by narita
2月のことになりますが今池シネマテークさんに映画を見に行って来ました。
山口小夜子「氷の花火」
当時のインタビュー動画、画像とともに彼女の人生が詳らかになって行きます。
山口小夜子さんと言えば資生堂。資生堂といえば美の殿堂。
美容関係の方は憧れのクリエイティブ SABFAの校長でもある富川栄先生が、当時の小夜子さんの様子やメイクの仕方を教える様もドキュメント。
セルジュルタンスとの出会いも、山本寛斎との蜜月も、モデル以外の身体表現への挑戦も。
すべてが腑に落ちる内容。
一人の気高い女性の人生が凝縮した素晴らしい映画でした。
どうしてこの映画がこんなに私の心に訴えかけて来るのか。
私見ですが、日本という国の美のイメージがファッションモデル「山口小夜子」に仮託されたという現象は、高度経済成長を終え、先進国への階段を昇りつつあった日本の背景なしにはなかった。
とは言え、それが一人の女性の涙ぐましい努力によって成ったという事実は変わりません。
作中後半では「山口小夜子」を再現するために、現役モデルの松島花さんを囲んで富川先生のメイクにカメラは下村一喜さん、衣装は丸山敬太さん、スタイリングは間山雄紀さんという小夜子さんに影響を受けた方々によるシューティングが行われます。
まるで小夜子さんが甦ったかのような瞬間の感動は画面を通して伝わって来ました。
正直見ている方も涙が隠せません。(他のブログ記事でも涙腺崩壊している方多いようです。)
それは中国の台頭によってアジアのトップモデルの多くは中国人によって占められた現在。
またファッションというものが最も強く力を持っていただろう時代への哀惜の念も禁じ得ません。
今は過ぎ去ってしまった時代への追想。
私はこのようなノスタルジーに見舞われて息が詰まりそうになってしまいました。
偏った見方だとは思いますが、みなさんはどのように感じるでしょうか?
とにかくまた見てみたい良い映画でした。
あ、これも小夜子さん。
steely dan のajaは今でも良く聞きます。
ではまた。
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