ジュエリーにおける日本ならではのコンテンツは?
Posted on by narita
日本にアドバンテージがないと感じる理由
日本でジュエリーの仕事をしているとどうしても不利だなと感じることがあります。
理由は金を産出しない※1、ダイヤも採れないし、カラーストーンの産地※2でもない。
ジュエリーの歴史も浅い。わりかしどれを取っても前向きな条件がない。
ですが僕たちはその仕事を選んでいます。現状の中でやるしかない。
※1かつては黄金の国と呼ばれ多く産出されていました。現在では鹿児島の菱刈鉱山のみで産出されています。
※2水晶やガーネット、ヒスイは少量採れます。
昨年香港のジュエリーショーに行った時も感じたのですが、日本のブースは一昔前に作られたジュエリーの中古品が多く並び、日本ならではのコンテンツを打ち出すようなものは多くはありません。経済力が相対的に下がった結果ではありますが寂しい内容です。日本の中古ダイヤをリカットした還流ダイヤもよく見かけますね。
香港のジュエリーショーはアジアで最大の規模なので各国の企業が出店しています。
ドイツ人は独特の作りに変態的な石のカット技術がありますし、韓国人は繊細でファッションセンスに長けています。イタリア人はその芸術的センスとスタイルでイタリアらしさを出しています。北欧の人のジュエリーはミニマムな中に美しさがあります。日本だけ日本らしさがない。というより他国に打って出るような内容がない。
その中ではやはり真珠では?
やはりここはあこや真珠ですよね。
アジアのブースでも真珠の業者さんのブースには人だかりがありました。
何しろ素材を作っているわけですからね。
私は縁あって御木本幸吉さんがが興した明治のベンチャービジネスとでもいうべき養殖のあこや真珠について学んでいますが、かつてはヨーロッパに好奇の目を持って迎えられ、世界を席巻した日本の真珠はいまなおその価値を保っています。
ただ、そんな日本ならではのコンテンツを日本でどれだけ身につけている人がいるのでしょうか?特に若い方はあこや真珠にまったく触れていない方も多くコットンパールも淡水真珠も何もかもどう違うのか知らないという人も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
これはひとえに業界の怠慢というやつで、真珠の照りばかり気にして全くデザインを工夫してこなかった結果だと思います。
一番は金具ですね。美は細部に宿るというのに真珠の品質がどうだというような話ばかりでクラスプなど付属品の類は全然いいものがないんです。
ま、課題は色々あるんですけど、それぞれ現場でがんばるしかないっていう結論ですね。
ではまた。
成田
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